社会人の学び直しは必要?オンライン講座や塾の社会人コースについて解説
「少子高齢化」や「人生100年時代」といわれる時代において、今後のキャリア形成や働き方などに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そのような方におすすめなのが、社会人の学び直しとなる「リカレント教育」です。
本記事では、社会人の学び直しの方法や学び直しをサポートする取り組みなどについて解説します。本記事を読めば、オンライン講座や学習塾の社会人コースへの理解も深められるでしょう。
社会人の学び直し「リカレント教育」とは?
厚生労働省によると、リカレント教育とは以下のようなものを指します。
「学校教育からいったん離れたあとも、それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けていくこと」
出典:【厚生労働省】https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18817.html
仕事を休まずに働きながら学び直すこともリカレント教育に含まれ、仕事に関する知識やスキルを身につけていくことから「社会人の学び直し」とも呼ばれています。
リカレント教育を受ける際には、対象講座受講費用の一部が支給される教育給付金や高等職業訓練促進給付金、今後のキャリアについて相談できるキャリアコンサルティングなどの支援を受けることが可能です。
リカレント教育と似た意味合いの言葉に「生涯学習」と「リスキリング」があります。
生涯学習とは、個人が豊かな人生を送ることを目的に学ぶことです。文化活動やボランティア活動、スポーツなども対象となり、仕事に関連する知識やスキルを身につけるためのリスキリングとは目的が異なります。
また、リカレント教育は個人のキャリアアップのために行うのに対し、リスキリングは企業が成長するため、従業員へ必要なスキルや知識を身につけてもらうことを重視しているのが特徴です。
さらに、リスキリングはデジタル分野に関する知識を学ぶのが主ですが、リカレント教育ではデジタル分野も含むより幅広い内容を学べる点も異なります。
リカレント教育の手段
リカレント教育には、仕事をしながらでも学びが継続できるさまざまな手段があります。ここでは、主な3つの手段について解説します。
学習塾や予備校が設けた社会人コース
「社会に一度出たけれど、もう一度大学で学び直してみたい」「資格を取得して新しいキャリアに挑戦したい」など、目標を持ちながらも独学では不安な人もいるのではないでしょうか。
学習塾や予備校が設けた社会人コースでは、小・中学校からの基礎の学び直しをはじめ、社会人入試や資格試験対策などのコースを受講可能など、それぞれの目的に合わせた学び直しができます。
各人の希望に合わせた個別の学習計画を用意してもらえるところもあり、オンライン講座や融通の利く通塾、オンラインと対面の併用授業など忙しい社会人に配慮した選択肢があることが強みです。
また、夜間の授業や土日の授業も選択できるなど働きながら学び直しをしたい人でも学び続けやすいのがメリットといえます。
大学(院)や専門学校が設けた社会人コース
大学や大学院、専門学校には、社会人を対象としたコースを設けているところもあります。
「キャリアアッププログラム」「エクステンションセンター」「社会人向け講座」などで、社会人のスキルアップやキャリアアップ、資格取得を対象とした専用プログラムを活用するのもよいでしょう。
昼間や夜間の講座はもちろん、早朝や週末のコース、オンライン講座など多様な授業形態があり、仕事と両立しやすいのが特徴です。また、少人数制のゼミやフィールドワークなどでは、より学びを深めることができます。
仕事に関連するより専門的なスキルや知識を身につけたいリカレント教育では、「実践に即した授業が受けられるか」についても学校を選ぶ際のポイントの一つです。
大学や大学院、専門学校では、その道のプロから指導を受けられる機会があるのもメリットといえるでしょう。
動画オンデマンドサービス
場所や時間にとらわれずに学びたい人におすすめなのが、動画オンデマンドサービスです。動画オンデマンドサービスなら聞き逃してしまった箇所に戻ったり、何度でも繰り返し視聴したりすることができます。
反復学習の効果は、より理解を深められるだけではありません。特に、初めて学ぶ分野は活字よりも動画のほうがわかりやすいことがあります。
リカレント教育のメリット
ここでは、個人の立場で見たリカレント教育のメリットを3つ紹介します。
自分自身のキャリア形成に必要な資格を取得できる
リカレント教育では、何を学ぶかを自分で自由に選ぶことができます。例えば、海外出張に役立てるためなら「英語」、新しいキャリアに挑戦したいのであれば「プログラミング」など自身のキャリア形成に必要な資格を取得することも可能です。
学びを深めて資格を取得すれば、将来的に独立やキャリアチェンジなどの夢も実現しやすいでしょう。リカレント教育は、現状を維持することなく自分の意志でキャリア形成をするためのステップとなってくれるはずです。
機械化による失業リスクを回避できる
デジタル技術の普及や、DX推進などの影響を受けてAIなどの新技術の導入が進んでおり、これまで人が行っていた仕事がAIや機械に入れ替わる可能性も高まっています。
その一例が飲食業の配膳ロボットです。現場の人員を削減するために、飲食店のフロアを配膳ロボットに入れ替える企業も出てきています。
今後は、ますますこのような可能性が増していくといえるでしょう。
そのため、需要のあるスキルを身につけられれば失業リスクを下げることが期待できます。
ライフスタイルに合わせて多様な働き方へシフトできる
平均寿命が延びたことによる就労期間の延長や、ライフスタイルの変化に合わせた多様な働き方が増えています。人生100年時代が到来し、生涯現役でお金を稼ぎ続けるといった人もいるのではないでしょうか。
また、なかには定年後にもやりがいを持って暮らしたいからと働くことを選択する人も少なくありません。
ただし、働き続けるためには仕事に必要な知識やスキル、資格などを持っていることが前提となり、学び直しによるスキルアップが必要となります。リカレント教育によって学び直しを行うことで、そのような多様な働き方を実現しやすくなるでしょう。
社会人の学び直しをサポートする取り組み
社会人の学び直しについては、国や自治体でも積極的な取り組みが行われています。
ここでは、3つの制度について解説します。
#教育訓練給付金
厚生労働省による「教育訓練給付金」は、指定の教育訓練を終了時に受講費用の一部(自己負担額の20〜70%)が支給される制度です。
この制度は、ビジネスパーソンの中長期的なキャリア開発や能力開発を支援し、就職の促進や雇用の安定を図ることを目的としています。
#公的職業訓練(ハロートレーニング)
「公的職業訓練(ハロートレーニング)」は、希望する職に就くために必要な知識やスキルを習得するための公的制度です。
主に、ハローワークに登録している雇用保険加入者を対象とする「離職者訓練」と、雇用保険を受給できない人を対象とする「求職者支援訓練」が実施されています。
離職者訓練は、基本的に受講料が無料(テキスト代は別途必要)で訓練期間は3カ月〜2年ほどです。
#東京都デジタル人材育成支援事業
東京都では、離職した若者などがIT分野に就職できるよう支援する「デジタル人材育成支援事業」を実施しています。
通学、もしくはオンラインで受講可能でスキルの習得を目指す職業訓練とキャリアカウンセリングなどによる再就職支援で構成されています。コースは「スタンダードコース」と「ハイエンドコース」の2つあり、各期間は2カ月と3カ月です。
これらの支援からもわかるように、社会全体として学び直しに対する意識が高まってきているといえるでしょう。
学び直しが今後のキャリア形成や働き方の選択には重要
就労期間の延長や現代社会の急激な変化を踏まえて、今後のキャリア形成や働き方を選択するためには個人レベルで学び直しをすることが重要です。
支援制度も整いつつあるリカレント教育では、オンラインで学べる学習塾や大学の社会人コースを活用するなど、仕事と学びを両立しやすい環境が整ってきています。特に、スキマ時間も活用して学べる動画オンデマンドサービスであれば、自分のペースで学習を進めていくことが可能です。
「LIBERARY」は、動画が1本20分と短いため、通勤時間なども活用して効率よく学ぶことができます。また、さまざまな分野で活躍する有識者の教えから複眼的な視点や重要な知見を得られるなど、ビジネスパーソンの学びに特化していることも大きな特徴です。
「幅広い分野を効率よく学びたい」という方は、一度LIBERARYを体験してみてはいかがでしょうか。