【講義紹介】【哲学】中島隆博「中国哲学を世界哲学から再構築する」

講義紹介

本記事では、以下のYouTube動画を紹介します。

【哲学】中島隆博「中国哲学を世界哲学から再構築する」

利益の「利」という字があります。我々は利益をどう考えるか。一方ではそれを私利私欲のように考える方向もありますが、他方で福利厚生のように、より社会的なインパクトを持ったものとして考えることもできます。

中国哲学の中には、この「利」に対して2つの異なる態度があります。

渋沢栄一は、これをポジティブな意味として捉え、経済と倫理が合一するという議論を展開しました。しかし、それは中国哲学の文脈を利用することによって初めて言うことができたのです。だから、日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一の思考のベースには、そういう中国哲学がありました。

私たちは、資本主義の異なる形を今考えるとすれば、渋沢が考えたような中国哲学による文脈を再考しても良いかもしれません。渋沢が今生きていたら、どんなふうに考えたでしょうか。そのヒントとして中国哲学には、展開されてきた概念の歴史があります。これを再利用しても無駄にならないと思います。それが私たちを助けてくれる杖になるかもしれません。

中国哲学と聞いてすぐに連想するのは、春秋戦国時代の哲学者たちです。

日本の場合、近代以降と近代以前の中国に対するイメージが大きく二つに分かれています。

近代以前の中国は、日本が学ぶべき理想的なモデルとして存在していました。春秋戦国時代の哲学は未だに人気があります。特に「論語」は非常に人気があり、日本では必ず売れるところです。

近代以降の中国に対しては、半分植民地化されたということもあり、評価が非常に低いです。しかし、哲学に関して言えば、近代中国こそが、ヨーロッパの近代的な哲学を正面から引き受けて苦しみながら、哲学的な栄誉を構築していったその態度は非常に面白いです。

冷戦が終わり、東アジアでも冷戦構造が緩んできたことで、21世紀になると中国が世界の経済大国の第2位に上がりました。これにより、無視できない存在として中国が立ち現れ、中国の人々を支えている哲学的な学問が問われるようになりました。

中国哲学に対する関心が世界的に高まっています。ただ、例外があり、それは日本です。日本は中国哲学に対する関心が非常に低いのです。これは、今の中国を知るために中国哲学を学ばなければならないというモチベーションが低いからだと思います。

このような状況を打破するために、私たちは今「世界哲学」という概念を掲げています。世界哲学として中国哲学を見たらどうなるのか、そうすると・・・

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