【講義紹介】【AI科学】三宅陽一郎「ゲームクリエーターが見たAI論 知能と知性の狭間で」
本記事では、以下のYouTube動画を紹介します。
【AI科学】三宅陽一郎「ゲームクリエーターが見たAI論 知能と知性の狭間で」
人工知能には機能的な側面と存在としての側面があります。例えば、自動翻訳や画像判別などは機能的な人工知能です。一方で、ペットロボットやゲームのキャラクター、社会に存在するロボットなどは、存在感のある人工知性としての人工知能です。
私は元々数学と物理学を研究しており、その後エンジニアリングの世界に進みましたが、ただ機械を作ることに違和感を感じていました。特に哲学や心理学、精神医学といった人文科学との融合点を探していました。これらの研究から人間とは何かを考えながら、機能としての人工知能だけでなく、この世界に生きる存在としての人工知能を作りたいと考え、ゲーム産業に足を踏み入れました。ゲーム産業では、技術を積み上げて知能を構築する「コンストラクティブ」なアプローチが取られています。
人工知能には3つの大きな問題があります。一つ目はフレーム問題で、人工知能が自ら問題を設定することができません。例えば、ゲーム内でルールに沿って学習はできますが、そのルールの外に出ることはできません。二つ目のシンボルグラウンディング問題では、例えば「椅子」という概念をどのように教えるかが難しく、定義をどんどん増やしても完全には定義できません。最後に、心身問題では、心と体がどのように繋がっているかが人間にとっても分かっていないため、ロボットが自分の体をどのように動かすかという自己主体感を持つことが難しいです。
これらの問題に共通するのは、事象と世界の境界という点です。人間は、食べ物を食べたり呼吸をしたりすることで世界と溶け合いながら生きています。このような違う作り方が・・・
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